「NFTだから高値になる」って思ってはいけない

「だれにでもわかるNFTの解説書」著者、足立明穂です。
アマゾンでのKindle本(電子書籍)も発売になり、少しは在庫切れリスクが減ったかなぁって安心しています。3刷りの出荷が追い付いてきたようで、楽天Bookshonto、大型書店さんでは書籍の在庫もあるようです。

WBSさん、『「デジタル資産」に価値をつける技術』って本当?

WBSを見ていて、飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりました。
パ・リーグの6球団がメルカリと共同して選手の動画をNFTとして販売するニュースがあり、その出だしがこのような文言でした。

参考:メルカリとパ・リーグがNFT事業に参入 名場面をコレクターアイテムに

「NFTとは、形のない、いわゆるデジタル資産に価値をつける技術です」

えっ?? そんな説明していいの??? これって、多くの人をミスリードするんじゃないの???
WBSともあろう番組が、こんな説明してしまうなんて、やばいよなぁ・・・って思って、いてもたってもいられないので、座っていました(笑)。

NFTはデジタルデータに証明書を付ける技術

私の本を読んでいただいている方なら、そんな勘違いは起こさないと思いますが(え? まだ、読んでないって! すぐに買いましょう!w)、NFTというのは、単にデジタルデータの証明書を付ける技術です。

証明書がつくことで、デジタルデータであっても、「これを作ったのは、鈴木さんで、今、佐藤さんが所有しています」ということが誰の目にもわかるようになっています。

話が前後しますが、デジタルの世界では、コピーが簡単にできるのでオリジナルとコピーは、まったく区別のできません。アーティストが作ったデジタル作品を、従来の油絵や彫刻のように「これが本物。アーティストが作ったオリジナルの1点ものです!」と示すことが難しかったのです。

ここに登場したのがNFT。私は、デジタルの世界に、「1点もの」という価値観を創出したということで、革命的なことだと思っています(これが、なかなか伝わらないんだけどw)。

デジタルであっても「1点もの」という証明ができるようになったので、その1点を求めて、コレクターが競って高値で落札するようなことが起きています。

1点ものだと証明できるけれど、偽造やコピーを防ぐものではない

ここも勘違いしやすいのですが、NFT化されたからって、偽造やコピーを防げるわけではありません。デジタルデータなので、従来通り(?)、簡単にコピーは作れるし、偽造することだってできちゃいます。

「だったら、NFTなんて意味ないじゃないか!」って言われそうですが、従来の著作権や特許権なども同じ。どんなに著作権や特許権を主張しようとも、誰かが勝手に真似したり、贋作を作ったりすることは防げません。ファッション業界のブランドは、あの手この手で偽物対策をしていますが全く無くならないですよね。

NFTも証明書を付けただけであって、コピーや偽物が出てきたときに、「あ、それ、NFTが付いてないからオリジナルじゃないよね?」っていうことができるという意味です。

と、書いていたら、また、WBSの説明で、吹き出しそうになりました(ぐっと堪えたので、幸いキーボードがコーヒーまみれになることはありませんでしたが)。

「デジタル映像には、パリーグが公式に販売したかどうかがわかるNFTという技術を使っています。
映像の偽造やコピーをできなくなる仕組み。」

おいおいおい! 偽造やコピーをできなくする仕組みではないよー!
偽造やコピーしても「ばれる」ということであって、できないのではない!!

公式に販売したかどうかがわかるってのは、先にも書いたように証明書としてのNFTの役割なので、そこまでで止めておけばいいのに、偽造できなくする仕組みって・・・。

大好きなWBSなので、好意的に拡大解釈すれば・・・・

NFTによって、デジタルデータであっても本物か偽物(コピー)かわかるようになる
 ↓
誰でも本物を見分けられるようになる
 ↓
「なんだ、それ、コピーじゃん!」って言われることはカッコ悪いという認識が広がる
 ↓
コピーする人が減っていく
 ↓
人々の価値観が変化して、偽造やコピーがしにくくなる

とまあ、そこまで深読みすれば、「偽造できなくする仕組み」と言えないこともないですけど(ないない!w)

NFTはツール。だからこそ、何ができるのか、何ができないのかを知っておく!

NFTといえども、技術であり、ツールにすぎません。
最初にも書きましたが、NFTだからといって、価値を付けるということはありません。

そもそも、価値っていうのは人間が感じるものであって、人によってぜんぜん違ってきます。価値判断するのは、一人ひとりであって、技術で価値が付くわけではないのです。

NFTアートで、昔のファミコンのようなドット絵が、何百万円、何千万円で取引されていても、それが大好きな人たちや将来値上がりすると信じている人たちの価値であって、あなたにとっては1円の価値もないかもしれません。

大手のメディアでさえも、端折って説明するがゆえにミスリードしてしまうことがあるので、正しい理解をしましょうね!(そう、だから、私の本を読めって言っているのです!w)

転載元:https://note.com/adachiakiho/n/n42413b41cf8f

作者:https://twitter.com/TanishiNishi

※本記事は作者に許可を取り転載しております。