TheMafiaAnimalsの熱量はどこから生まれる?ファウンダーのRii2氏に聞いてみた

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TheMafiaAnimals(TMA)は、NFTアーティストのRii2(リツ)氏が手がける「動物×マフィア」の世界観のNFTプロジェクトだ。

ファウンダーであるRii2氏は日本人NFTクリエイターとして高い評価を得ている人物であり、国内を代表するNFTコレクション「CryptoNinja」「CryptoNinja Partners」のキャラクターデザインも担当している。

TheMafiaAnimalsでは、1点ずつ描き下ろされた「オリジンコレクション」48作品と、2万点規模のジェネラティブコレクション「TheMafiaAnimals Soldiers」を展開。NFTにとどまらずカプセルトイやブラウザゲームへとIPを広げており、プロジェクト創設からまもなく5年を迎える現在もオフ会やイベントが開催されるなどコミュニティの熱量は高い。

NFTブームが去った後も活発な活動が続き、国内でも珍しい事例となっている。なぜ、TheMafiaAnimalsではこれほどコミュニティの熱量を維持できているのか。

ファウンダーであるRii2氏に取材を行い、プロジェクトの裏側を聞いた。

【プロフィール】
Rii2(リツ)
TheMafiaAnimals ファウンダー

ゲーム会社で4年間コンセプトアーティストとして経験を積んだ後、2017年からフリーランスのイラストレーターとして活動を開始。
2021年からNFTアーティストとして活動し、国内人気NFTコレクション「CryptoNinja」のキャラクターデザインを担当。自身のオリジナルIP「TheMafiaAnimals」を展開している。

X:https://x.com/rii2_4

「動物×マフィア」の世界観で魅了する

NFTMedia編集部(以下、編集部):まず、TheMafiaAnimalsについて教えてください。

Rii2:TheMafiaAnimals(TMA)は、「動物×マフィア」の世界観で展開される作品群です。

「TMA World」という架空のメタバース世界が舞台になっていて、世界中の人がそれぞれ動物の姿で活動し、都市の裏ではマフィア達が暗躍して組織を拡大している、という設定なんです。

編集部:TheMafiaAnimalsでは、キャラクターのNFTが発行されていますよね。

Rii2:はい。2種類のNFTコレクションが存在します。

1つが、「TheMafiaAnimals[old](オリジンコレクション)」です。動物マフィア組織の幹部の肖像画をコンセプトに1点ずつ描き下ろした作品群で、2026年7月時点で48作品のみ発行されました。

もう1つが「TheMafiaAnimals Soldiers(マフィアニマルソルジャーズ、以下TMAs)」というジェネラティブコレクションで、こちらは2万点規模になります。

NFTアートの「作品には実在の所有者がいる」という特性と、SNSのプロフィール画像として使えるPFP(プロフィール画像)としての性質を活かして、2つのコレクションを展開しています。

AIを駆使して開発したブラウザゲーム

編集部:TheMafiaAnimalsに関して、最近ではどのような取り組みをされているのでしょうか。

Rii2:世界観を掘り下げる目的で、TheMafiaAnimals World(以下TMAw)というブラウザ版ゲームを開発しました。

AIを活用して開発しており、取り組みから1ヶ月ほどですが、すでに遊べる状態で、ゲーム内にストーリー、陣取り合戦、非同期PvP、カジノ、ランキングなど様々なコンテンツを楽しめるゲームが完成しました。

このサイトを拡張しつつ、NFTを持っていない人でもTheMafiaAnimalsの世界観を無料で体験できるゲームを目指しています。

編集部:AIの活用によって、新たなコンテンツが生まれているのですね。今後は、このようなゲーム制作も続けていくのでしょうか。

Rii2:そうですね。TheMafiaAnimalsのIPとして、2025年にはカプセルトイをリリースしたりと、NFT以外の部分にもキャラクターを認知してもらえるような施策を行ってきました。そこに加えて、最近の著しいAIの進化の波もあり、僕自身がAIを使えるようになってきたので、個人でもゲーム開発に挑戦できる環境が整ってきました。

僕はもともと、ゲーム会社でコンセプトアーティストというゲームの中の世界観設定や、キャラクターをデザインする仕事をしていたので、NFTアートをRii2の世界観に入ってもらうためのアイコン、「TheMafiaAnimalsというワールドでのアバター」という文脈で作ってきました。そこで、ゲームとNFTとの接続によって自分のアバターであるTMAsを使ってTheMafiaAnimalsの世界をより楽しめる場所としてTMAwというゲームを作っています。

編集部:TheMafiaAnimals Worldは、どのような内容のゲームなのでしょうか。

Rii2:TMAwはアニマリアという大都市を舞台にマフィアの構成員として5つのうちの1つのファミリーに属して抗争するというゲームです。自動で貯まるポイントを貯めてクルーを集めたり、強化して戦力を上げ、街で縄張りを巡って抗争するゲームです。貯まったポイントをカジノで賭けたり、ストーリーモードがあったりとTMAの世界を楽しんでもらえる作品になっています。

14日で1シーズンとなり、シーズンの終わりには「パージナイト」という全プレイヤーVS警察のレイドバトルなどもあり、各シーズンごとにポイントやランキングを競う形式になっています。

ゲームの世界では架空のラジオ放送が流れており、「◯◯さんがランキング1位になりました」というように、ゲーム内のニュースがアナウンスされる仕組みも導入しました。このラジオのDJもAIによってコントロールしています。

編集部:面白そうですね。Rii2さんだけで開発されているのですか。

Rii2:AIを使いながら、デザインから世界観までほぼ1人で作っている感じですね。一部のバックエンドのみプログラマーに依頼しています。

シーズン1のログインユーザーは100人ほどと小規模ですが、今後も楽しんでもらえる受け皿を作りプレイヤーを増やしていければと思っています。

NFTブームが去った後もコミュニティが続く理由

編集部:NFTブームが去った過程で、下火になってしまったコミュニティも多くあります。

そのような中で、TheMafiaAnimalsではどのようにしてコミュニティの熱量を維持しているのでしょうか。

Rii2:皆さんの熱量が続くように、僕自身がクリエイティブに専念して絵や世界観で魅了できるように心がけています。

実は、僕が1年ほど活動を休止していた期間がありました。その間は別のメンバーが引っ張ってくださっていたのですが、離れていかれた方もいたんですね。

そして改めて戻ってきたときに、コミュニティの皆さんは僕の作る世界観やアートに惚れ込んでくださっていたんだと改めて実感しました。

コミュニティを作った当初からTheMafiaAnimalsの世界観を作り込んで皆さんに届ける活動に専念しようという思いがあり、コミュニティマネジメントや運営など実務の部分は他のメンバーに託している部分もあり、 TMAはコミュニティの皆さんと一緒に作ってきた作品だと思っています。

NFTリリースの直前に多くの人が殺到したり、コミュニティの規模が縮小したりと、これまでに色々な経験をしました。これらを通じて、残ってくださる方に向き合うことと、TheMafiaAnimalsをまだ知らない方に知っていただくことが大事だと学びました。

編集部:コミュニティの熱量を維持する上で、世界観で魅了することが重要なのですね。

Rii2:そうですね。今自分の事をNFTアーティストと言っても、今や「ああ、あの一時期流行ったやつね」くらいの認識しかされていない場合も多いので、作品がNFTの外にも広がるような活動をしていきたいと考えています。

「コピーできる画像データになぜお金を払うのか」という話もよくありますよね。だからこそ、NFTという枠に留まらずキャラクターを認知してもらう、遊んでもらうという姿勢が重要だと考えているので、今回のゲーム開発はキーポイントの1つだと思っています。

編集部:コミュニティの参加者は、世界観に魅了されているというお話がありました。

現在参加されているメンバーの方は、具体的にどういう部分を楽しまれているのでしょうか。

Rii2:今残って楽しんでくださっている方は、やはり作品の世界観とコミュニティでの繫りや交流が大きいと思います。

TheMafiaAnimalsでは、メンバーが毎日のまとめや、スペースでの配信などを行っていたり、たまにオフ会などを開催してリアルでの繋がりも大切にしているコミュニティになっているなと思います。メンバーの年齢層としては30代の男性が多く、マフィアのコレクションなので集まっていると「怖そう」という印象を持たれたりもするのですが、実際のメンバーの皆さんはやさしく素敵な方々ばかりです(笑)

僕自身コミュニティを作って、TMAを通してオンラインで繋がる魅力を感じているので、今後もリアルでのイベントを大事にしています。

編集部:リアルでのイベントが、コミュニティの結束につながっていくのですね。

2026年9月にはプロジェクト創設5周年のイベントも企画されているそうですね。どのようなことを構想されていますか。

Rii2:制作中のゲームのアップデートや、TMAを知らなかったり、TMAsをまだ持っていない方にも楽しんでもらえるようなイベントを予定しています。

個人開発の強みとしてゲーム内において世界観を作り込んだり、新たなストーリーを追加したりといった改良が柔軟にできるので、ゲーム内の情報やフレーバーテキストにも周年イベントに向けたネタを仕込んでいきたいなと思っています。

そして、オリジンコレクションの49番目となるNFTをリリースする予定です。久しぶりの大型イベントになるので、これらを目玉として盛り上げていきたいですね。

NFTクリエイターを直撃したOpenSeaのロイヤリティ問題

編集部:TheMafiaAnimalsの活動を続ける上で資金が必要になると思いますが、収益面でのバランスはどうなっているのでしょうか。

Rii2:やはりNFTアートは一時の熱量は冷めており、流動性も下がってしまいました。なので現状ではTheMafiaAnimalsからの収益はそれほどない状態です。そのため、コミュニティの運営も大きなお金は使わず、長く継続していける体制で運営しています。

また、NFTアーティストにとって問題だったのが、OpenSeaでクリエイターロイヤリティの10%強制適用が廃止された点です。この影響によって、二次流通でNFTが売買されても運営者に収益が入ってこない問題に直面しています。

セカンダリー市場の売買でも一定の金額が運営に入るという仕組みがNFTの魅力だったのですが、Blurというロイヤリティの低いNFTプラットフォームが台頭したことでOpenSeaも足並みを揃える形になってしまいました。

編集部:NFTの売主が二次流通でのロイヤリティを任意で決められるため、10%での設定も可能なのですが、売主にそのようなインセンティブは働かないですよね。

Rii2:そうですね。プロジェクトのスタンスによって変わると思うのですが、この構造だと運営費はシュリンクする一方なので対策をしないといけないと思い制作中のサイトに独自マーケットプレイスを実装する予定で、プログラマーと共に開発を進めているところです。

「ウォルト・ディズニーになる」という夢

編集部:TheMafiaAnimalsでは、NFTからゲームやメタバースへと展開されてきました。最終的なゴールはどこを目指しているのでしょうか。

Rii2:今後の展望を聞かれた時には、わかりやすい大きな夢としてウォルト・ディズニーのような人になると言っています(笑)

ディズニーは、誰もが知る方で、彼が考えたキャラクターは世界中の人に愛され、ディズニーランドという自分の名前を冠したテーマパークまでできている作品の生みの親ですよね。キャラクターデザインをやっている身からすると本当に尊敬できる方だと思います。そのため、長期的な視点ではウォルト・ディズニーになるのが僕の夢なんです。

正直、本当になれるのか?や、そのために何をしないといけないのか?、というような細かなビジョンはあまりないのですが、これくらい大きな目標を持っておくことで展望を聞かれた時に自分の目指している方向を自分の中で再確認できるのでこう言っています。

今はAIによって個人でもアニメ制作やプログラミングができるようになってきた時代なので、これらの時代にあったコンテンツ制作をしていき、スポットライトを浴びられるといいなと思い色々な範囲で活動をしています。

編集部:IPを今後もどんどん拡大していくのですね。NFTプロジェクトを運営する上でのアドバイスがあれば教えてください。

Rii2:僕自身が感じたことでもありますが、ファウンダーが自身の思っていることを発信したり、コミュニティに書き込むことで、プロジェクトのメンバーがファウンダーを身近に感じてくれる事も大切だと思っています。

僕はけっこう抜けているところがあり、コミュニティの皆さんからイジられたりする関係性なのですが、こういった血の通った関係性を作れているのもコミュニティが今も続いている理由なんじゃないかなと思っています。

この5年でさまざまなNFTプロジェクトを見てきましたが、作品はもちろんですが、NFTの性質上からも、そのプロジェクトを作った人や運営の人をみられる事の方が強く、そのプロジェクトのやっていることや目標、ファウンダーの考え方に共感して様々なプロジェクトに参加したり応援している方が多いと思います。

僕自身、1年間休養していた事もあり、やはりファウンダーがコミュニティにいることの大事さは強く感じました。

編集部:この他に、気をつけていることはありますか。

Rii2:もう1つ、この5年TMAを運営するにあたって気をつけてきたこととして、お金を頂きすぎないようにすることです。

リリース当初などは僕の作品は特に高額で取引されていたので、出せばすぐに売れるような状況でした。今振り返ると発行点数をさらに増やしたり、値段をもっと高くしても売れていただろうなと思うのですが、あえて量や金額を抑えることでうまく廻ったり、本当に欲しい方に届けられることもできたと思っています。

また、何かやるたびにコミュニティ内で販売して財源を作っているだけだとすでに応援してくださっている皆さんの資産が削れていく一方なので、そういう面からもコミュニティ外から新規に参入してもらえるような運営をしていかないとジリ貧になってしまうと感じています。

このような理由から、応援してくださるからと甘えて、頻繁に作品を販売したりしないようにしています。実際に、これまでにたくさんのTheMafiaAnimalsの絵を描いて時間を費やしてきましたが、NFTとして販売しているのはオリジンのコレクションとTMAsだけだったりします。

編集部:作品を販売する機会を制限することで、逆にコミュニティが長続きするのですね。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

Rii2:宣伝も含めてですが(笑)、「TheMafiaAnimals Soldiers」は、「マフィア×動物」をテーマにした2万点のコレクションです。25種類の動物に、約5,000パターンの服装やアクセサリーが組み合わされています。

「NFTアートなんてコピー可能なただのデジタルイラストでしょ」と言われることもあるのですが、この作品を作るのに自分の稼働を抜いて、3名のプログラマーさんに依頼して総額1000万円をかけて作った渾身の作品です。

イーサリアムチェーンのERC-721Aという規格のNFTで、オンチェーンデータでHP・攻撃・防御など5つのパラメーターを持っていて、「レイズシステム」というレベルアップ機能を使うとアクセサリー、アウター、武器が順番に付いたりと、NFT自体を育てられる要素などが入っています。

名前を付けたり、服ガチャを引いて着替えさせたりと、ほとんどのパラメーターがオンチェーンデータとして記録されるNFTアートです。

編集部:NFTに育てる要素が加わっているのですね。

Rii2:はい。持っていて楽しいNFTに加えて、育てたNFTをTMAwで活用することもできるためWeb3ゲームのアセットとして完全に機能しています。

ぜひ、「TheMafiaAnimals Soldiers」を1体入手して、この世界に入ってみてはいかがでしょうか?

コレクションができてからまだ5年目の小さなIPですが、徐々に広がってきていますし、新しいゲームができたりとこの先もコミュニティの皆さんと末永く続けていく作品になると思います。ぜひ、一緒にTMAを楽しみましょう。

編集部:これからの展開が楽しみですね。今日はありがとうございました。

インタビューを終えて

Rii2氏の話から見えてきたのは、その裏にある明確な役割分担と自制心だった。

クリエイティブは自分が担い、コミュニティマネジメントは仲間に委ねる。そして何より、「コミュニティに自分が居続ける」という決意。これにより、Rii2氏の作品に魅せられた人がコミュニティに居続ける構造になっていた。

もう1つ印象的だったのは、AIによってクリエイターの可能性が急拡大している現場をリアルタイムで見られたことだ。わずか1ヶ月ほどで形にしたブラウザ版ゲームは、今後も開発が続けられるという。

TheMafiaAnimalsの5周年に向けてのイベントも準備が進んでいるとのことで、この先の展開に注目したい。

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