【独自取材】GOOPASS遠越大輔氏に訊く「みんなでNFT」の挑戦

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人生を彩る趣味のプラットフォーム『GOOPASS』を運営するGOOPASS株式会社。

近年はカメラ領域にとどまらず、ゴルフや楽器など多様な分野へと対象を広げユーザーの趣味や体験を横断的にサポートしている。

同社はプロダクトの未来構想を見据え、2025年9月にはWeb3・NFTを活用した新たなロイヤリティプログラム「GOOPASS みんなでNFT」をリリースした。サービスのなかでは「NFT」という言葉を過度に強調せず、ユーザー体験に寄り添う設計で独自の経済圏構築を目指している。

今回は、同プロジェクトを牽引するプロダクト開発部 マネージャーの遠越大輔氏に、サービス立ち上げの背景や、一般ユーザー層へのNFT普及のヒント、そしてブロックチェーンがもたらす「思い出」の価値について聞いた。

【プロフィール】
遠越 大輔(とおごし だいすけ)
GOOPASS株式会社 プロダクト開発部 マネージャー

エン・ジャパン等でのメディア営業や開発部門を経てGOOPASSに参画。プロダクトマネージャーとして開発を牽引する傍ら、同社の未来構想に基づくWeb3/NFTロイヤリティプログラム「GOOPASS みんなでNFT」の立ち上げと事業推進を担当している。

高価な機材を手軽に──GOOPASSの事業展開

NFTMedia編集部(以下、編集部):まずは、GOOPASSの事業について教えていただけますでしょうか。

遠越大輔(以下、遠越):私たちは、カメラやレンズ、ドローンなどの撮影機材を中心に、趣味や創作活動を充実させる様々な道具を入れ替え放題でレンタルできる会員サービスを展開しています。

写真という趣味は、カメラ本体以上と同様にレンズも高価なんですよね。そこで、購入金額の約10分の1程度の月額料金で機材を使えるようにしています。

昨年からは、一定期間レンタルし続けると、そのまま商品を購入できる新たな買い方の提案も始めました。

編集部:確かに、良いレンズをいくつも揃えようとすると大変ですからね。プロの方の利用も多いのでしょうか?

遠越:そうですね。プロ層の方にも、普段使わない被写体用のサブレンズとして、あるいはメイン機材が壊れたときの保険として活用いただいています。

経費として利用しやすい面もあり、カメラ領域では非常に良いポジションを取れていると自負しています。

今後はカメラだけでなく、ゴルフや楽器といった横断的に趣味領域を楽しめる会員サービスへと進化していきたいと考えています。

「GOOPASS みんなでNFT」誕生の背景

編集部:2025年9月に「GOOPASS みんなでNFT」がリリースされました。どのようなサービスなのか教えてください。

遠越:「GOOPASS みんなでNFT」は、GOOPASSでの体験そのものを資産に変えていく「デジタルの記念スタンプ」です。

これまでにレンタルしたカメラや、参加したイベント。そうしたGOOPASSでの一つひとつの体験をNFTとして形に残し、お一人おひとりにとっての特別な価値にする。そんな仕組みを目指しています。

また、貯まったトークンはGOOPASSのクーポンや提携先のポイントに交換できます。

編集部:どういった経緯でNFT領域へ参入することになったのでしょうか?

遠越:私がGOOPASSへ参画したのは2024年7月なのですが、実は入社前から代表が「NFT技術を使ってプロジェクトを展開したい」という構想を持っていたんです。

私自身も転職前から個人的にNFTプロジェクトに関わっていたこともあり、リソースが整ってきたタイミングで本格的に動き出しました。

編集部:代表の強い思いと遠越さんの知見がマッチしたのですね。

遠越:はい。プロダクトの未来構想の中に「Web3を絡ませていきたい」というテーマがずっとありました。

それを具体的に要件化していく中で、まずは第一弾としてトークンを発行する形で2025年の秋頃にリリースへ至ったという経緯です。

あえて「NFT」を意識させない

編集部:ターゲット層は、Web3に詳しい方々なのでしょうか?それとも一般の消費者ですか?

遠越:ターゲットは完全に一般の消費者、つまり既存のGOOPASS会員の方々です。

位置づけとしてはロイヤリティプログラムの一環で、「GOOPASSマイル」というマイルが貯まる建付けにしています。

編集部:一般ユーザー向けとなると、ウォレット作成などのハードルや「NFT」という言葉へのアレルギー反応が気になりますが、感触はいかがでしたか?

遠越:思ったよりアレルギーは出ていないという印象ですね。

秘密鍵などは裏側で管理し、ユーザーはGOOPASSに登録してメール認証するだけで簡単に設定できる導線にしています。

「NFT」という名前は一応サービス上に記載していますが、コミュニケーションとしてはあくまで「マイルが貯まりますよ」という点を強調しています。

編集部:ユーザーの利便性を最優先にしているのですね。実際のアクションに繋がっているのでしょうか。

遠越:はい。リリース後、新規でレンタルや購入をしていただいた方のうち約20%がウォレットを発行してくれました。

こちらから適切なコミュニケーションを取れば、一般ユーザーの方々にもしっかり利用していただける状況になっていると感じています。

AIには代替できない「思い出」をブロックチェーンで刻む

編集部:遠越さんご自身は、ブロックチェーンやNFTのどのような点に価値を感じて事業に組み込んでいるのでしょうか?

遠越:私は、GOOPASSは「思い出の会社」だと思っています。

カメラを通じて一瞬一瞬を切り取り、後で振り返る。その思い出は絶対にAIには代替できないものです。

そのAIに代替できないものをいかに形にして証明していくかを考えたとき、ブロックチェーン技術が非常に重要な意味を持ちます。

単なる金融的なトークンではなく、人間が使うブロックチェーンの価値、私たちが大切にしている「思い出」の証明として事業に組み込んでいきたいんです。

編集部:写真というデジタルデータとNFTは非常に相性が良いですし、「思い出の証明」という考え方は素晴らしいですね。

「推し活」から広がる未来──マイル経済圏の拡大

編集部:最後に、今後の展望や他の企業とのコラボレーションの可能性について教えてください。

遠越:現在発行している「GOOPASSMILES(グーパスマイル)」は、GOOPASS内で利用できるクーポンなどに交換できる仕組みです。

今後はこのマイルの経済圏を広げていきたいと考えています。例えば、他社のサービスを利用した際にもこのマイルが付与されるような連携ができれば面白いですね。

編集部:旅行やイベントなど、カメラと相性の良い業界は多そうです。

遠越:まさにその通りで、カメラって実は主役ではなく「後から来るもの」なんです。

最近は「推し活」が伸びていて、アイドルのライブ撮影のために望遠性能の高いカメラのレンタル需要が増えています。

自分の趣味や推し活があって、それを綺麗に残したいからカメラが必要になる。そういった人々の人生を彩る手段を提供している企業とは絶対に相性が良いはずです。そこで今後は、多様なコミュニティと連携しながらWeb3の展開を広げていきたいですね。

インタビューを終えて

NFTやWeb3のプロジェクトにおいて、「いかにして一般ユーザーの生活に溶け込ませるか」は業界全体の大きな課題となっている。

GOOPASSの取り組みは、あえて技術的な専門用語を前面に出さず、ユーザーにとってわかりやすい「マイル(ポイント)」としてのメリットに変換することで、自然なオンボーディングを実現している好例である。

また、「AIには代替できない思い出をブロックチェーンに刻む」という遠越氏の哲学は非常に印象的だった。機材のレンタルにとどまらず、ユーザーの体験価値そのものを最大化しようとする同社のアプローチは、今後Web3を活用しようとする多くの企業にとって重要なヒントになるはずだ。

「推し活」や旅行など、あらゆる趣味領域と親和性を持つGOOPASSが、どのような「マイル経済圏」を築き上げ、新しい価値を生み出していくのか。今後の続報が待たれる。

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