Oasysとは?ゲーム特化から「RWA」へ進化する日本発ブロックチェーンの特徴や仕組みを解説

Oasys(オアシス)は、「Blockchain for Games」をコンセプトに2022年12月にメインネットをローンチした、日本発のブロックチェーンプラットフォームです。セガ、バンダイナムコ研究所、スクウェア・エニックス、Ubisoftといった国内外の大手ゲーム企業がバリデータとして参画したことで、ローンチ当時は「ゲーム業界オールスターのチェーン」として大きな注目を集めました。

それから約3年ほどが経過し、Oasysは大きな転換期を迎えています。ゲーム特化チェーンとしての基盤は維持しつつ、SBIホールディングスとの戦略的提携や、東京の不動産をトークン化するRWA(Real World Asset:現実資産)事業への進出など、「あらゆる資産を1つのトークンエコノミーに統合する」プラットフォームへと戦略の軸足を広げているのです。

一方で、ネイティブトークンOASの価格は2024年の高値から大幅に下落し、複数の取引所で上場廃止が相次ぐなど、市場からの評価は厳しい局面が続いています。

本記事では最新情報をもとに、Oasysの基本的な仕組みから、ゲームチェーンとしての特徴、RWAへの戦略転換、OASトークンの現状までを、良い面も厳しい面も含めて解説します。

Oasysとは

Oasys
引用:Oasys

開発・運営:Oasys Pte. Ltd(シンガポール)
メインネットローンチ:2022年12月12日
ネイティブトークン :OAS

Oasysは、既存のブロックチェーンゲームが抱えていた「トランザクション処理速度の遅さ」「高額なガス代(手数料)」「悪いユーザー体験」という課題を解決するために設計された、EVM互換のPoS(Proof of Stake)型ブロックチェーンです。

プロジェクトの中心には、日本初の本格的ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」の開発陣をはじめ、日本のゲーム業界・ブロックチェーン業界の著名なメンバーが名を連ねています。2022年7月のトークンプライベートセールでは約25億円を調達し、同年12月にメインネットが稼働しました。

そして2026年現在のOasysを理解するうえで重要なのが、プロジェクトの掲げるビジョンの変化です。当初の「Blockchain for Games」から、現在は「社会に存在するIP、不動産や金融資産など、あらゆる資産を1つのトークンエコノミーに統合すること」を目指す方針を打ち出しており、ゲームで培った技術基盤を、不動産などの現実資産のトークン化(RWA)へと展開し始めています。

Oasysの仕組み:Hub-LayerとVerse-Layerの2層構造

Oasys最大の技術的特徴は、「Hub-Layer(ハブレイヤー)」と「Verse-Layer(バースレイヤー)」を組み合わせた独自の2層アーキテクチャです。

Hub-Layer(レイヤー1)

Oasys全体の土台となる基盤レイヤーです。ブロックタイムを安定的に設定し、データの可用性とセキュリティを担保する役割を持ちます。バリデータによるPoSコンセンサスで運用されており、大量のトランザクション処理はVerse側にオフロードすることで、ネットワーク全体の安定性を保っています。

Verse-Layer(レイヤー2)

ゲームやプロジェクトごとに構築できる専用のレイヤー2チェーンです。オプティミスティックロールアップを採用して高速処理を実現しており、各事業者は自社のニーズに合わせてVerseを自由にカスタマイズできます。代表的なVerseには、My Crypto Heroesが展開される「MCH Verse」、セガの「三国志大戦」IPを活用したゲームが動く「SG Verse」などがあります。

ガス代無料(ガスレス)の仕組み

一般的なブロックチェーンでは、ユーザーがトランザクションのたびにガス代を支払う必要があり、これがブロックチェーンゲーム普及の大きな障壁となっていました。

Oasysでは、Verseを運営する事業者(ゲーム会社など)側が手数料を負担する設計により、エンドユーザーはガス代を意識せずにゲームをプレイできます。「ウォレットに暗号資産を用意しないと遊び始められない」という従来の参入障壁を取り除いた、ゲーム特化チェーンならではの設計思想です。

また、トークン設計面では「マルチトークンエコノミー」を採用しており、基軸となるOASのほか、Verseごとのトークン、ゲームごとのトークンを柔軟に発行できる構造になっています。

Oasysの特徴

大手ゲーム企業を中心としたバリデータ陣容

Oasysの信頼性を支えているのが、バリデータとして参画する企業の顔ぶれです。初期の21社には、セガ、バンダイナムコ研究所、スクウェア・エニックス、Ubisoft、gumi、double jump.tokyo、グリー、bitFlyerなどが名を連ね、その後KDDIやMIXI、ソフトバンクなども加わり、参画企業は25社以上に拡大しました。

近年では、ベンチャーファンドのNonagon Capital(ホットリンクグループ)が2025年12月にバリデータ運用を開始するなど、ゲーム企業以外のプレイヤーの参加も続いています。

大手企業がノード運営に関与していることは、パブリックチェーンとしての信頼性・継続性の面で、他のゲーム特化チェーンとの大きな差別化要因となっています。

ゲームに最適化された処理性能

Verse-Layerでの高速処理により、モバイルゲームに近い快適な操作感を実現しています。ブロックチェーンゲームはDeFiと比べて圧倒的にトランザクション数が多いため、この処理性能とガスレス設計の組み合わせは、ゲーム用途において実用的な意味を持ちます。

EVM互換による開発のしやすさ

OasysはEVM(イーサリアム仮想マシン)互換であるため、イーサリアム向けに開発されたスマートコントラクトやツールをほぼそのまま利用できます。開発者の学習コストが低く、既存のWeb3開発資産を活かせる点も特徴です。

2024年以降の大きな転換:ゲームチェーンからRWAプラットフォームへ

Oasysを語るうえで欠かせないのが、この2024年頃から進んだ戦略転換です。時系列で主要な動きを整理します。

SBIホールディングスとの戦略的提携(2024年8月)

2024年8月、OasysはSBIホールディングスとの戦略的提携を発表しました。国内金融大手グループとの連携により、金融面・事業面での継続性が強化され、SBIグループのSBI VCトレードではOASの取り扱いやステーキングサービスも提供されています。ゲーム領域にとどまらない「金融との接続」への布石といえる動きです。

GATES社との不動産トークン化(2025年7月)

2025年7月には、不動産テック企業のGATES社と提携し、東京の不動産約7,500万ドル(約110億円)相当をOasys上でトークン化するプロジェクトが発表されました。

将来的には大幅な規模拡大を目指すとされており、OasysのEVM互換性を活かして不動産の小口所有を可能にする取り組みです。ゲームで実証してきた「高速・低コスト・ガスレス」の技術基盤を、そのまま現実資産の取引インフラに転用する構想であり、Oasysの「第2フェーズ」を象徴するプロジェクトとなっています。

Oasys Koreaの始動とアジア展開(2025年6月〜)

2025年6月に始動した「Oasys Korea」は、K-POPコンテンツ、ウェルネスツーリズム、医療データのトークン化を視野に入れた成長戦略の一環です。2026年には医療記録や土地所有権に関するパイロットプロジェクトも予定されており、日本発のチェーンからアジア圏のRWAプラットフォームへの展開を図っています。

技術面のアップデート

技術面では、他チェーンとの相互運用性(インターオペラビリティ)を強化する「Dragon」アップデートなどが進められており、2026〜2027年にかけてはプロトコルレイヤーでの資産の継続性・相互運用性強化がロードマップに掲げられています。

Oasysを基盤にしたプロジェクト(ゲーム)

Oasys上では、大手ゲーム企業のIPを活用したタイトルが展開されています。代表的なプロジェクトを紹介します。

Champions Tactics: Grimoria Chronicles(Ubisoft)

世界的ゲーム大手Ubisoftが手がける、OasysのVerse上で展開されるPvPタクティカルRPGです。「アサシン クリード」などを擁するUbisoftがブロックチェーンゲームに本格参入したタイトルとして注目を集めました。プレイヤーはNFTのフィギュアを収集・編成し、戦略バトルを楽しめます。世界的パブリッシャーがOasysを選んだことは、チェーンの技術力とゲーム業界での信頼を示す事例といえます。

魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-(SEGA IP)

セガの人気アーケードゲーム「三国志大戦」のIPをライセンス活用したデジタルトレーディングカードゲームで、double jump.tokyoが開発し、Oasys上のレイヤー2「SG Verse」で展開されています。日本の大手ゲーム会社の有力IPがブロックチェーンゲーム化された代表例であり、「IP×Web3」という日本ならではの勝ち筋を体現するタイトルです。

My Crypto Heroes(MCH Verse)

「日本初の本格ブロックチェーンゲーム」として知られるオンライン戦略RPGです。2019年にはユーザー数とトランザクション数で世界1位を記録した実績を持ち、現在はOasys上の専用レイヤー2「MCH Verse」で運用されています。歴史上の英雄を集めてチームを編成し対戦する内容で、ゲーム内のキャラクターやアイテムはNFTとして所有・売買が可能です。Oasysの設計思想の原点ともいえるタイトルです。

なお、ローンチ初期に発表されたタイトルの中には、すでにサービスを終了したものや開発が中断したものもあります。ブロックチェーンゲーム市場全体が2022〜2023年の過熱期から淘汰のフェーズを経ており、Oasys上のプロジェクトも例外ではない点は押さえておくべきでしょう。

OASの買い方

Oasysのロゴ
引用:Oasys Games

2026年7月時点で、OASは国内ではSBI VCトレードなどの暗号資産取引所で取り扱われています(取り扱い状況は変動するため、必ず各取引所の最新情報をご確認ください)。

購入の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. OASを取り扱う国内取引所で口座開設
  2. 本人確認(必要書類の提出)
  3. 日本円を入金
  4. OASを購入

また、OasysはPoSチェーンであるため、保有するOASをバリデータに委任(デリゲート)することでステーキング報酬を得ることも可能です。SBI VCトレードのように、国内取引所でOASのステーキングサービスを提供している例もあります。

※暗号資産の売買は価格変動リスクを伴います。日本では暗号資産の売却益は原則として雑所得(総合課税)の対象となる点にもご注意ください。

まとめ

Oasysは、「ゲーム特化」という明確なコンセプトと、大手ゲーム企業が参画するバリデータ陣容で登場した日本発のブロックチェーンです。Hub-LayerとVerse-Layerの2層構造によるガスレス設計は、現在もゲーム用途のチェーンとして高い完成度を持っています。

そして2026年現在、Oasysはゲームで培った技術基盤を武器に、不動産をはじめとするRWA(現実資産トークン化)へと事業領域を拡大する「第2フェーズ」に入りました。トークン価格や流動性の面では厳しい評価が続いていますが、SBIグループとの提携や東京不動産のトークン化など、日本の規制環境に根ざした実需の創出に挑んでいる点は、他のゲームチェーンにはない独自のポジションです。

Oasysの今後を占ううえでは、価格の動きだけでなく、「RWA事業が実際に稼働するか」「Oasys上のゲームが継続的に遊ばれ、経済圏が回るか」という実需の指標に注目していくとよいでしょう。

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