
昨今、大注目されているNFT。
教育界において、NFTは、従来のカリキュラムや評価方法を一変させる可能性を秘めています。
教育現場では続々とNFTが導入されており、その影響はアーティスト・芸術家を目指す子供だけでなく、次世代を担う全ての世代の可能性をこれまで以上に増幅するのではないでしょうか。
そこでこの記事では、国内の教育分野におけるNFT活用事例をご紹介します。
Contents
教育分野におけるNFT活用事例12選
【入会権、卒業証明書をNFT化】オンライン学習サービス「PoL」

HP:PoLクリプトカレッジ
運営会社:株式会社techtec
リリース時期:2021年12月
教育分野でのブロックチェーン活用を進める株式会社techtecは、Web3.0を学ぶクリプト・ブロックチェーンの実践プログラム「PoLクリプトカレッジ」の提供を開始、並びに、その入会権をNFT化する日本初の取り組みを始めました。「PoLクリプトカレッジ」は、DeFiやNFT、DAOなど、仮想通貨・ブロックチェーンの先にあるWeb3.0の知識をより深く習得することができる実践プログラムです。
NFT化された入会権とは、「受講時に必要な入会金を固定価格で支払える権利」のことです。これを持っていると、将来的に入会金が高くなった場合でも、過去の安かった時の価格で入会金を支払い、プログラムの受講を開始することが可能です。
また、保有する入会権NFTは、NFTマーケットプレイスなどで自由に販売することが可能で、入会金が高くなる前に安く受講できる権利だけ購入しておいたり、受講後に入会権NFTを販売することで元金を回収したりと、様々な用途が考えられます。
【全専攻にNFTカリキュラムを導入】OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校

HP:OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校 NFT デジタルアートクリエイター
運営会社:学校法人コミュニケーションアート OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校
リリース時期:2023年3月
OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校(以降OCA)は、2023年4月より専門学校として日本で初めて全専攻にNFTカリキュラムが導入されます。
OCAは開校以来、デザイン・テクノロジーをはじめ、e-sports・ホワイトハッカー、さらにはメタバースの教育の提供を行なっています。
そして今回、NFTカリキュラムが導入が決まり、自身の作品が約1300万円で取引されていたことで話題のVRアーティストのせきぐちあいみさんが特別顧問として就任されました。
全ての学生が、NFTの技術を身につけることで、自身と作品の価値をより高め、卒業後に「好き」を「仕事」にしてクリエーターとして長く活躍できるようになるために、大阪の地から最先端のNFTカリキュラムを提供していくとのことです。
【卒業証明書をNFTで発行】「Table Unstable – 落合陽一サマースクール2022(山口編)」

運営会社:株式会社電通グループ、シビラ株式会社、ソニー株式会社
リリース時期:2022年3月
電通グループ、シビラ、ソニーは、個人の学びや活動実績をNFT化し実績証明を行う、クレデンシャル管理の実証実験を行います。
その実証実験は、2022年4月29日から5月1日に山口市で開催される、メディアアーティストの落合陽一氏による特別カリキュラム「Table Unstable – 落合陽一サマースクール2022(山口編)」に参加した小学4~6年生に対して、受講終了後に卒業証明書をNFTで発行するというものです。
将来的に、NFTで実績証明を行い、大学入学・留学・就職などで活用できるようにすることを目指すという。NFTにより“学びの軌跡”を可視化することで、従来の試験のような一律評価だけでなく、多角的な要素で子どもの個性を認識できる、新たな教育のエコシステムを形成できるのではないかと考えられます。
【学習履歴証明書をNFTで発行】Web3コミュニティ「UNCHAIN」

HP:https://app.shiftbase.xyz/
運営会社:株式会社shiftbase
リリース時期:2022年7月
株式会社shiftbaseが運営しているWeb3のエンジニアコミュニティ「UNCHAIN(アンチェーン)」では、学習モチベーションを維持する仕組みにNFTを活用しており、プロジェクト参加型の教育コンテンツをクリアすると、それに紐付いたNFTが学習履歴証明として発行されるなどの取り組みを行っています。学習履歴証明NFTは既に300枚以上が発行されています。
「UNCHAIN(アンチェーン)」では、NFTの作成や分散型アプリの構築など、実務に近いプロジェクト型の教育コンテンツであることを特徴としており、全て無料で提供されています。
ポータルサイトや教育コンテンツの充実、コミュニティメンバーとして様々な特典を受けられるソーシャルトークン「$CHAI」拡張、人材採用等に調達した資金を活用し、更に事業を加速させていくとのことです。
【NFTアート収益機会の創出】専門学校日本デザイナー学院 / 株式会社エヌ・エフ・トゥーン

HP:https://ndg.ac.jp/
運営会社:学校法人呉学園、株式会社エヌ・エフ・トゥーン
リリース時期:2022年7月
専門学校日本デザイナー学院と、自社NFTプラットフォームを開発中の株式会社エヌ・エフ・トゥーンは、業務協約を締結し、NFTアート収益機会の創出事業をスタートさせました。本事業により、これまでのマンガ家が行ってきたストーリー構築と作画のスキルを分業化させる制作スタイルをカリキュラムに加えることができ、コミッククリエイターは選択肢を増やすことができるようになります。
韓国初のウェブトゥーンはスマートフォンに最適化された新しいマンガの制作スタイルで、既存のマンガ作品を他国に輸出する際に起きる「読み進め方」の問題をクリアしたものです。今後はコミッククリエイターの活躍の場がますます広がっていくと思われます。
【学修歴証明書をNFTとして発行】千葉工業大学

HP:https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20220818/
運営会社:株式会社PitPa / 千葉工業大学
リリース時期:2022年8月
千葉工業大学が株式会社PitPaと共同で、国内初となるNFTの学歴証明書を発行しました。
学歴証明書をNFTで発行することにより、改ざん等を防ぐだけでなく、国内外を問わず様々なプラットフォームで学びの成果をアピールすることが可能になります。
従来のブロックチェーン型証明書に比べ、仮想通貨のウォレットmetamaskなどでデータを管理できるため、ポータビリティー(可搬性)の優れたNFT証明書となっています。大手NFTマーケットプレイスOpenSeaだけでなく、オンラインチャットサービスのdiscordの入場証明やジョブ提供プラットフォームdeworkなどでも身分の証明として使用することができます。また、本NFT証明書には売買機能が備わっておらず、学位の取引が行われるリスクを回避することができます。
web3時代は、学生の就職活動に大きな変革を与えると言われています。
世界中から人材を獲得する動きが広がる中、いち早くweb3技術を取り入れることで、学生のキャリア形成を中長期的に支援することができ、千葉工業大学の強みを世界中にアピールすることが可能になります。
【人気NFTプロジェクトと連携】京都芸術デザイン専門学校

HP:https://www.kid.ac.jp/
運営会社:株式会社N3(旧:株式会社Art Sensor)、学校法人瓜生山学園
リリース時期:2022年10月
京都芸術デザイン専門学校は、人気NFTプロジェクト「FlowerLolita」を運営する株式会社N3と提携し、国内NFTプロジェクトでは初めてとなるNFT制作、販売、販売額の寄付を行う専門学校との共同プロジェクトを開始しました。
NFTプロジェクト「Flowerlolita」は、プロサッカー選手でKSK Angel Fund LLC代表でもある本田圭佑氏と現代アートを世界へ広げる事業を行うATSU氏の2人がファウンダーを務めるプロジェクトです。現代アート×NFTとして2022年6月に6,666体が発売・完売しました。
2022年10月29日、30日には学生によるNFT作品の展示イベントが共同開催されました。学生がアート性の高いFlowerLolitaの二次創作を作成しNFT化、FlowerLolitaのキャラクターと組み合わせた独自のアートやデザインを制作。NFT化した作品は世界に向けて販売し、その売り上げを寄付します。
【人的資本の証明書をNFTで発行】株式会社PitPa / フォースバレー・コンシェルジュ株式会社

運営会社:株式会社PitPa、フォースバレー・コンシェルジュ株式会社
リリース時期:2022年12月
株式会社PitPaとフォースバレー・コンシェルジュ株式会社は、世界のグローバル人材の学歴・職歴・スキルをはじめとした人的資本に関わるNFT証明書を発行するプロジェクトを随時開始していくことを発表しました。
2022年12月に、プロジェクトの第一弾として、アジア最大規模の学生数を誇るネパール最大の大学、トリブバン大学と戦略的覚書を締結しています。発行が予定されているNFT証明書は以下の3つです。
- トリブバン大学等の高等教育機関における学修歴NFT
- 日本企業によるネパール人材に対する職歴証NFT
- 日本企業に採用内定を獲得したネパール人材向け日本語講座の履修証NFT
第一弾の取り組みを通して、優秀な人材が豊富であるにも関わらず、慢性的に雇用機会が不足しているネパールの人材を、深刻な人材不足に直面する日本企業で採用し、日本から帰国後も現地の日本企業と協業するという流れの創出を目指しています。
NFTを活用して学歴や職歴を証明することで、個人情報の改ざんが防止され、海外人材の経歴の信頼性を担保することが可能です。経歴の可視化によって採用のミスマッチを防ぎ、早期退職を防ぐことができるなど海外人材の採用の効率化が期待できます。
また、NFTを活用した日本独自のキャリア開発環境は、世界から日本への優秀な人材の採用を促進します。さらに、2023年3月期からすべての上場企業に対して義務化される人的資本情報の開示への対応策としてもNFTの活用が期待されており、今後も注目のプロジェクトです。
【無料のクリプト学習コースを提供】Binance Academy(バイナンスアカデミー)
運営会社:Binance
リリース時期:2022年11月
世界最大級の仮想通貨取引所である「Binance(バイナンス)」は、バイナンスアカデミー教育プラットフォームを通じて、ブロックチェーンの仕組みやWeb3に関連する無料のオンライン教育プログラムを提供しています。
バイナンスが提供するこの教育コンテンツは、初心者から上級者まで幅広い層の受講者に対応できるように構成されています。
提供されているコースの内容は以下の通りです。
①ブロックチェーンの基礎
②暗号通貨の基礎
③分散化とは
④Web3とメタバース
⑤トレーディングの基礎
⑥暗号通貨の取引と投資戦略
この6つのコースは、さらに29個もの細かなプログラムに分かれており、今後さらに追加されていく予定です。各コースの修了時にクイズに解答すると、NFTにて提供される修了証明書を取得することができます。
【入学記念NFT】近畿大学

運営団体:株式会社ODKソリューションズ
リリース時期:2023年4月
近畿大学と株式会社ODKソリューションズは、ODKが4月1日より提供を開始する「個人の体験を価値化」するWeb3.0サービス「アプデミー」β版を用いた実証実験を開始しました。
実証実験の開始を記念して、2023年近畿大学入学式で、約8,000名の新入生を対象に、「2023年近畿大学入学式 入学記念NFT」が配布されました。
配布されたNFTを活用して、
・実証実験を推進するプロジェクトメンバーの募集
・体験や学びの実績証明となるNFTの企画及び配布
・NFT保有者への権利や特典の設計及び付与
・留学、大学院進学、就職への活用方法の検討
などが予定されています。
【学習成果証明書NFT】武蔵野大学

運営団体:株式会社イトーキ
リリース時期:2023年12月
武蔵野大学データサイエンス学部の中西崇文准教授は、株式会社イトーキと共同で非認知能力を評価するNFTを用いた学習成果証明システムを開発しました。
本システムは、学生の就職活動における「非認知能力が伝わりにくい」という課題に対して、インターンシップ参加学生にNFTを発行することで、学生は就職活動時に自身の非認知能力を企業に証明することが可能になります。
また、本システムではインターンシップに参加したことを証明するだけでなく、インターンシップを通じて高く評価された能力など具体的な項目が証明される点も特徴となっています。
NFT発行も可能な学び・キャリア支援サービス「noa+ connect」

運営団体:株式会社ワークアカデミー
リリース時期:2024年4月
株式会社ワークアカデミーは、学生・社会人のスキルアップと就職/転職を支援する新しいプラットフォーム「noa+ connect(ノアプラスコネクト)」をリリースしました。
このプラットフォームは、昨年実証実験に参加した「learn to earn」を実現し、Web3.0プラットフォームであるANICANAと連携することで、学んだ経験にポイントを付与し、そのポイントをNFTから経済的価値(日本円)に変換することが可能です。
「noa+ connect」は、同社の既存サービス「noa+」を拡大・発展させたものであり、大学のリカレント教育へも展開されています。このプラットフォームは、企業と従業員の間に存在する多数の課題を認識し、実践的な学習・経験のコンテンツを通して両者を結び付けることを目的としています。
最後に
教育界でも続々とNFTが導入されており、その影響はアーティスト・芸術家を目指す子供だけでなく、次世代を担う全ての世代の可能性をこれまで以上に増幅するのではないでしょうか。
将来的には、NFTにより“学びの軌跡”を可視化することで、従来の学歴社会に一石を投じる「学習歴社会」を創り出せるのでは、とtechtec代表取締役の田上智裕氏は仰っています。
学歴や資格など定量化された指標だけによる評価ではなく、日常的な学習記録やボランティア活動も含めることで、個々人の能力を多面的に評価できるのではないでしょうか。また、その評価をブロックチェーンに記録しておけば、クラスや学校が変わっても生徒の情報を共有することが出来るようになります。また、個人で学習歴を管理できるようになれば、これまでの努力や実績を見返すことが容易になります。
本記事では7つの事例しか紹介できませんでしたが、今後は教育を超えてスポーツや・音楽など、子供に関わることの多くにNFTは活用されていくと思います。
当メディアは、NFT界の更なる発展のために、今後も教育分野のみならず、様々な業界におけるNFTの活用事例を紹介していきます。
他にもスポーツやゲームなどのNFT活用事例の記事もありますので、興味のある方は以下よりご覧ください!
▼ NFT×スポーツ
▼ NFT×ゲーム
NFT Mediaではメールで、最新情報やお得な情報をお届けしています。
ご登録いただくと、キャンペーンやNFTのWhiteListなどお得な情報、注目のプロジェクト情報等お役に立つ最新情報をメールでお知らせします。ぜひご登録ください。
- NFTのWhiteList(優先購入権)
- キャンペーン情報
- 読者限定Giveaway企画
- 最新NFTコレクション紹介
- NFTニュース速報
- NFTビジネス活用事例




