新生プロジェクト「SAKURAJIMA PULSE」とは?ファウンダーの新地貴浩氏に直撃

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2026年6月3日、「SAKURAJIMA PULSE」という新たなNFTプロジェクトが始動した。

この「SAKURAJIMA PULSE」は桜島をテーマとしており、鹿児島県を盛り上げる目的で運営されているという。NFTの生成には桜島の噴火状況のデータが反映されており、その時々の姿が作品へと写しとられる。

このプロジェクトのファウンダーが、薩摩BASE(サツマベース)の新地貴浩氏である。

「Neo Tokyo Punks」のコミュニティマネージャーで、デジタル技術を活用した地方創生に挑戦する人物だ。

果たして、「SAKURAJIMA PULSE」ではどのようなビジョンを達成しようとしているのか。本記事では、同氏がプロジェクトに込めた鹿児島への想いや、地域資源の再定義を目指すデジタルとフィジカル両面での活動について、新地貴浩氏に直撃した。

【プロフィール】
新地貴浩(SR⚡️NTP)
鹿児島県出身。NFTプロジェクト「Neo Tokyo Punks」のコミュニティマネージャーを務める傍ら、地方創生×デジタル技術を活用する株式会社ONに参画。桜島の噴火データを活用したAI×Web3アートプロジェクト「SAKURAJIMA PULSE」ファウンダー。

X: https://x.com/SRKTK56

噴火への畏敬と愛──生きたアーカイブと応援の文化

NFTMedia編集部(以下、編集部):最初に、「SAKURAJIMA PULSE」がどのようなプロジェクトなのか教えてください。

新地貴浩(以下、新地):SAKURAJIMA PULSEは、私の地元である鹿児島を盛り上げるためのNFTプロジェクトです。

桜島という鹿児島の象徴をモチーフにアートとして広く国内外の方に届けることで、鹿児島を知らない方に認知してほしい、一度でもいいから鹿児島に訪れて欲しい、そういった思いを込めたプロジェクトです。

アートの役割としては、「桜島の噴火を文化アーカイブとして残すこと」、「世界に1つだけのジェネラティブアートであること」、「アートを購入することが地域の応援に繋がるということ」の3つを掲げています。

鹿児島の人々にとって桜島はただの火山ではなく、常に生活の隣にあり続けた存在なんです。その噴火の瞬間ひとつひとつを永遠のアートとして記録し、応援の形に変えていくのが「SAKURAJIMA PULSE」です。作品の根底には「噴火への畏敬と愛」という思いがあります。

編集部:「噴火の瞬間ひとつひとつをアートとして記録する」とは、どういうことでしょうか。

新地:アートの生成方法に特徴があり、桜島の噴火データを元に生成AIによって生み出されているんです。


噴火のあった季節や時間帯や噴煙の高さや二酸化硫黄濃度など、気象庁が公式で公開している情報を元に11個のパラメータを設定し、パラメータの変化に応じて絵柄が変わる仕組みになっています。

そのため、噴火の瞬間ひとつひとつが世界に1つだけのアートとして生まれ変わります。桜島の噴火とともにコレクションが永遠に育ち続けるという特徴があります。このアート作品の作者は「桜島自身である」という捉え方もできるところが面白い特徴だと思います。

編集部:日々刻々と変わる噴火の状況が作品に反映されるのですね。

プロジェクトの柱である「応援という文化」には、どのような思いが込められているのでしょうか。

新地:噴火を恐れるだけではなく、応援に変えていこうという思いです。

ミントされたNFTの売上金は地域貢献活動のために積み立てられ、鹿児島を盛り上げるための企画に充てられます。今後、具体的なイベントも打ち出していくところです。

このように、「SAKURAJIMA PULSE」は鹿児島を応援したい人々が集結するプロジェクトを目指しています。

プロジェクト立ち上げの背景──東京と鹿児島を繋ぐ思い

編集部:「SAKURAJIMA PULSE」を立ち上げた背景について、教えてください。

新地:鹿児島や桜島のことを知らない方々にも知っていただけるキッカケを作りたいなと思っていました。

直接鹿児島に足を運んで頂かずとも、遠くにいながら応援できる形としてデジタルアートという表現と、NFTという届け方を選択しました。

私自身、NFTに関しては2022年頃から精通しており、「Neo Tokyo Punks」のプレセール時からのホルダーとして参画し、「Neo Tokyo Punks」のコミュニティマネージャーとしても活動を続けていますが、NFTを持つことで仲間との絆が生まれることを体験しています。

私は鹿児島県出身で東京在住なのですが、どうにかして地元である鹿児島を盛り上げたいとの思いがありました。そこで、これまでにもNFTを活用できないかと模索していたところでした。とはいえ私はプログラマーではないので、NFTのジェネラティブコレクションは設計できません。

そのような中で転機が訪れたのが、生成AIの登場です。AIでプログラミングや画像作成ができれば自分でもNFTコレクションを運営できるのではないかと考えて、「SAKURAJIMA PULSE」を始動させました。

編集部:そのような経緯があったのですね。桜島をテーマとして選んだ理由を教えてください。

新地:鹿児島を応援する上で、桜島という存在が切っても切り離せないからです。

地域の課題について困っていることだけを発信したところで、興味がない人はやはり興味がないんですよね。だからこそ、言語の壁を越えて直感的に伝える手段として、アートやNFTを活用したいと考えていました。その時に真っ先に思いついたのが桜島です。

私は小さい頃から鹿児島で生まれ育ち、生活の一部として桜島があるのが当たり前だったのです。

社会人になってからは青森県弘前市や静岡、東京に赴任したのですが、弘前には岩木山があり、裾野市には富士山がありましたが、東京には「山」がなくビルに囲まれた生活にかなりストレスを感じることがありました。

そんな経験から、幼少の頃から桜島をはじめとした自然の存在に支えられていたことを知ることができたんです。だからこそ、アートのテーマとして桜島を選びました。

編集部:ご自身の原体験として桜島の存在があったのですね。

新地:そうです。このような体験から2026年3月には勤めていた会社を退職し、今は「地方創生×デジタル技術」で鹿児島県の関係人口を増やしていく取り組みに挑戦しています。

「薩摩BASE」という任意団体を立ち上げており、これを一般社団法人化しようと準備を進めているところです。ブロックチェーンもうまく活用しながら、行政や民間とも協働して事業展開をしていきたいなと思っています。

NFTを通じた記憶の継承と防災意識の喚起

編集部:2026年6月3日にNFTのプレセールが始まりました。実際にNFTを手に取った方から、どのような反応がありましたか。

新地:良い反応がたくさん届いています。

とあるNFT購入者の方は、家族旅行で桜島を訪れたそうです。そして今回、偶然にもその時期の噴火データによって生成されたNFTを発見し、購入に至りました。

これはその人の思い出とNFTとの共鳴が生まれた事例であり、すごく嬉しい出来事でしたね。このほかにも、未来の噴火データを予約購入(プレオーダー)できる仕組みも用意しています。

編集部:未来の噴火データを予約購入できるというのは面白いですね。

新地:実は桜島では、平穏期が長くなるほど次に大規模な噴火となる可能性が高まると言われています。今回のNFTアートを通じて、「最近噴火していないから、次は大きな変化があるかもしれない」と防災意識を高めていければいいなと思っています。

デジタルからフィジカルへの展開

編集部:「SAKURAJIMA PULSE」では、今後どのような展開を考えていますか。

新地:私が次にやりたいことは、フィジカルアートとしての展開です。

NFTやWeb3業界以外の方たちにも桜島を知っていただけるように、カフェなどでのミニ展示やポップアップ、アートイベントに出展していきたいです。

高発色印刷やアルバム化、額装など、フィジカル作品としての品質を追求して、イラストが際立つ綺麗な発色で印刷し、いろんなイベントでお披露目したいですね。

編集部:それは素晴らしいですね。NFTの所有者になると、どのような特典があるのでしょうか。

新地:保有者数が一つの区切りである100人に達したタイミングで何らかのリアルイベントを開催し、皆さんを桜島にご招待したいなと考えています。

売上額の1割はトレジャリーとして自動で保管し、地域内外の交流イベントの費用や、来てくださる方の交通費やホテル代にも使っていきたいです。また、鹿児島の方と交流するためのツアー企画などもやっていきたいですね。

編集部:NFTの保有によって鹿児島の方と関われるのですね。SAKURAJIMA PULSEの発行枚数や価格を教えてください。

新地:発行枚数の上限はありません。桜島が噴火し気象庁が公式データを配信し続けてくれる限り自動で生成され続けるコレクションになっています。

パブリックセールでの価格は0.02ETHです。現在はプレセール(0.01〜0.015ETH)が終了し、どなたでもご購入頂けるパブリックセール実施中です。

編集部:2026年6月時点の価格では5,400円程度なので、手が届きやすいですね。Web3に馴染みのない方へのアプローチという点では、どのような工夫をされていますか。

新地:SNSの特性上、自分の興味関心層にしか届かないという課題があり、個人で発信していく限界も感じています。そのため、暗号資産だけでなくクレジットカードでのStripe決済やJPYC決済なども導入し、NFT界隈以外の人でも買えるようにハードルを下げる工夫をしています。

今後の展望と地域資源の再定義──文化として続いていくもの

編集部:最後に、プロジェクトを通じた今後の目標について教えてください。

新地:私個人としては、今まで価値がなかったような天然資源やデータに光を当てて、アートに形を変えていくような事例を増やしていきたいです。

それがWeb3的な発想で言うと、人が介在せずとも価値が生まれ続け、文化として続いていくものになると思っています。

そういう眠っているデータ資源は鹿児島以外にもたくさんある気がしているので、いろんな地域の方たちと連携しながら価値あるものを発掘していきたいですね。

編集部:素晴らしいお話をありがとうございました!今後の展開も非常に楽しみにしております。

新地:ありがとうございます。このプロジェクトは短期的なものではなく、一生かけて取り組んでいくライフワークとして、これからも継続して推進していきます。

インタビューを終えて

今回のインタビューを通じて、単なるデジタルアートの枠を超え、データと地域の記憶を結びつける新地氏の深い熱意を感じた。桜島の噴火データという自然のエネルギーをブロックチェーンに刻み、それをアートとして視覚化するアプローチは、関係人口の創出や防災意識の啓発という社会的意義も内包している。

特に、過去の記録と個人の思い出が重なる体験や、未来の噴火データを予約するというアイデアは、Web3技術の本質的な面白さを突いていると感じる。地方創生において「元々ある価値に光を当てる」という同氏の哲学は、今後さまざまな地域資源の再定義に応用されていくことだろう。

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