
※本記事はOneKey様による寄稿記事です。
※原文は2025年10月に公開されたもので、文中の市況や事例は当時のものです。
2025年秋、BNB Chainのミームコイン市場は大きな盛り上がりを見せました。中華圏では「币安人生(Binance Life)」といった中国語を冠するミームコインが次々に登場し、英語圏の暗号資産コミュニティまでもがFOMO(取り残される恐怖)に駆られて参入。相場の主導権は「中華圏の勢い」へと移っていきました。
当時はメジャーなBotであってもBNB Chainに対応していないサービスも多かったため、Solanaと同じようなトレード体験を求めて多くのプレイヤーがサードパーティ製の新しいBotを導入しました。
しかし、取り残される恐怖に駆られて安易にBotを使うのは危険です。安全性の低い使い方をすれば、資産をすべて失うことになりかねないからです。
実際に、Botサービス「Debot」の創業者である@0xCat_Cryptoのもとには、Botウォレットから数十万ドル相当の資金が抜き取られたというユーザーからの被害報告が寄せられました。しかし調査を進めてみると、原因はBot側ではなくユーザー側にありました。
実はユーザーのTelegramアカウントが乗っ取られ、そこに紐づいたウォレットの資金がすべて流出していたのです。
本記事では、実際に起きた事例をもとに、熱狂の中でTelegramと資産を守るための具体的な対策を解説していきます。
見落とされがちな最初の防衛ライン「Telegram」

Telegramアカウントのセキュリティについては、昔から指摘されてきた問題です。OneKeyでは以前「Telegram盗難防止の究極ガイド」を公開し、よくある3つの攻撃手口をまとめました。しかし、今なおこうした手口にだまされる人は後を絶ちません。
代表的な詐欺の手口は以下のとおりです。
ソーシャルエンジニアリングによる認証コードのだまし取り
詐欺師が友人や取引所、グループの管理者、公式サポートなどになりすまし、ログイン用の認証コードをスクリーンショットや転送で送らせる手口です。コードを手に入れた詐欺師はそのままアカウントにログインし、ウォレットの資金を抜き取ります。
あなたのログインコードが必要なのは、あなた自身だけです。誰に求められても絶対に渡してはいけません。
偽のアプリや言語パック
「Telegram中国語版」、「セキュリティ強化版」などとうたうアプリの多くは、実はトロイの木馬(マルウェア)です。
「言語パックをダウンロードしてインストールしてください」と求めるWebサイトは、ほぼ例外なくフィッシング詐欺のための罠だと考えてください。
偽のSafeGuard認証
ハッカーがグループ参加時の認証ページ(SafeGuard)を装い、QRコードを読み取ってログインさせたり、電話番号を入力させたりする手口です。情報を送信した時点で、ログイン権限を相手に渡したも同然になります。
本物のグループ認証で求められるのは、「私はロボットではありません」のクリックや、CAPTCHAの入力だけです。
Telegramの安全性を高める3つの設定
アカウントの安全性を大きく高めるには、次の3つを設定するだけで十分です。
- 電話番号を非表示にする
- 二段階認証を有効にする
- 知らない人からのダイレクトメッセージとグループ招待を受け付けないようにする
この3つを済ませるだけで、あなたのTelegramのセキュリティは大多数の暗号資産ユーザーを上回るレベルになります。
「Telegram盗難防止の究極ガイド」はこちら(英語):https://x.com/OneKeyHQ/status/1816505980320154092
Botウォレットは「便利さ」と「リスク」の境界線
Botはたしかに便利な機能です。フロントランニング(先回り注文)、指値注文、自動利確、新規上場コインの監視など、手動では難しい取引を素早くこなしてくれるからです。
しかし同時に、それは自分の秘密鍵を第三者に預けることを意味します。
2024年に起きた「Dexx」Botの大規模ハッキング事件が示したように、ウォレットにとって最大のセキュリティリスクは、秘密鍵を他者に預けること(カストディ)にあります。
「Not your keys, not your money(鍵を持たなければ、それはあなたのお金ではない)」は単なるスローガンではなく、多くの被害者を生んできた事実なのです。
どうしてもBotを使う必要がある場合は、次の点を必ず守りましょう。
- Botウォレットに多額の資金を置かない
- 利益が出たら、すぐにメインウォレットやコールドウォレットへ移す
- 主要な暗号資産を管理しているTelegramアカウントは、Botに絶対に紐づけない
暗号資産トレーダーが押さえるべき資産の防衛ライン

Telegramアカウントやボットウォレットの安全対策に加えて、より包括的な資産保護の仕組みを整えておくことが大切です。
ここでは、すべての暗号資産トレーダーが確認しておくべき基本的な防衛ラインを紹介します。
秘密鍵
秘密鍵は、資産に対する絶対的な支配権そのものです。一度漏れてしまえば、資産を取り戻すことはできません。
スクリーンショットを撮ったり、アップロードしたり、クラウドにコピーしたりするのは厳禁です。ハードウェアウォレットを使い、オフラインで生成・保管しましょう。
ウォレット
カストディアルウォレット(秘密鍵を事業者が管理するウォレット)は最も便利ですが、安全性は最も低くなります。ホットウォレットはマルウェアの被害を受けやすい一方で、オフラインで管理するコールドウォレットが最も安全です。
頻繁に取引する資金はホットウォレット、長期保有する資金はコールドウォレットと、複数の階層に分けて使い分けることをおすすめします。
デバイスと取引
デバイスのマルウェア感染、フィッシングによる承認、偽のコントラクトは、連鎖的に被害を引き起こすことがよくあります。取引に使うデバイスは常にクリーンな状態に保ち、用途ごとにアプリを分けましょう。
操作は公式のDEXでのみ行い、怪しいリンクはクリックしない、むやみに署名しない、エアドロップ欲しさに飛びつかない、の3点を徹底してください。
投資とフィッシング
ミームコイン市場が盛り上がるほど、詐欺はさらに活発になります。DYOR(自分で調べる)を徹底し、ポジションは分散させ、高利回りをうたう誘いには警戒しましょう。
情報は公式チャネルのものだけを信頼し、少しでも異変に気づいたら、すぐに資産を安全な場所へ移してください。
おわりに
Botは取引を速くしてくれますが、どれだけ速くても、ハッカーが資金を送金するスピードには勝てません。また、Telegramはコミュニティとの距離を縮めてくれますが、同時に詐欺師との距離も縮めてしまいます。
本当のセキュリティは、ひとつのアプリやツールに頼ることで得られるものではありません。「もう一手間かけて確認する」という意識こそが、資産を守ります。
1万ドルを稼いだ人も、1億ドルを稼いだ人も、ぜひ覚えておいてください。「利確こそ正義」です。OneKeyは、あなたの「Binance Life」を見届ける存在でありたいと願っています。
翻訳記事:Bot Wallets Drained? Who Stole Your Binance Life?
Jonas of OneKey
暗号資産向けハードウェアウォレットブランド「OneKey」に所属。
OneKeyは、ブロックチェーンセキュリティ領域を強みとするハードウェアウォレットブランドで、世界100万人以上のユーザーに支持されています。
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