仮想通貨やブロックチェーンが盛り上がりを見せる中、ビジネスの場面でも、多くのブロックチェーン技術が進出してきています。
今回は、そんな中でもIEO(Initial exchange offering:イニシャルエクスチェンジオファリング)についてフォーカスを当てて、概要から特徴までをわかりやすくまとめていきます。
IEOとは
IEOとはInitial Exchange Offeringの略で、暗号通貨を利用した資金調達の方法の一つです。
資金調達を行いたい企業と、ユーザ(資金を送りたい人)の間に、取引所が入っていることが特徴になっています。
大きな流れは以下の5つです。
①資金調達を行いたい企業がトークンを発行する。
②トークンの販売を取引所に委託。
③取引所が、販売元の企業を調査。
④問題がなかった時IEOを実施。(トークンを販売)
⑤集まった資金を手数料を差し引いいて、調達資金として受渡
※①と②は前後することがあります。
※トークンとは硬貨の代わりに用いられる代用貨幣のことです。
IEOのメリット
IEOには発行元、取引所、購入者/ユーザごとで大きなメリットが存在します。
IEOのメリット
- 信頼度の高さ(発行者・ユーザ)
- 安心感の高さ(発行者・ユーザ)
- 参加までのハードルの低さ(発行者・ユーザ)
- 行うだけでプロモーションになる
- 新規ユーザーの獲得
・信頼度の高さ
IEOは、取引所が企業について調査を行い、取引所が選定した銘柄のみが新規上場するため、信頼度が高いです。
絶対に安全とは言えませんが、多くの仮想通貨を取り扱う取引所は多くの審査経験があるため、信頼性は高いでしょう。
またこれから市場規模の拡大が見込める、取引所にとっても信頼性は大切になるでしょう。
・安心感の高さ
IEOは、販売した取引所への上場を前提として販売が行われることが多いです。
また、上場までのスケジュールまでもほとんど決まっています。
取引所が間に入っているため、他の取引所で上場をする心配はなく、かなり安心感があるでしょう。
・参加までのハードルの低さ
取引所に口座を持っているユーザーであれば、誰でも取引が可能になります。そのためかなりスムーズに取引が行われます。
ですが、購入の希望者が溢れた場合は、抽選で取引に参加が出来るかが決まります。
・行うだけでプロモーションになる
IEOを行うと、取引所がもうすでに抱えているユーザーに対してリーチすることができます。
取引所は、トークンを売りきらないと資金調達が失敗した事になるため、プロモーションに対して協力的に行います。
また、日本ではほとんど実施されていない点から、話題性もありプロモーションになるでしょう。
・新規ユーザーの獲得
IEOを行うことで、発行体のファンによる取引所の登録も見込めます。
それにより新規ユーザーの獲得はもちろん、場合によっては企業側のプロモーションにより、今まで認知していなかった人に対して認知させる場合もあるでしょう。
IEOのデメリット
IEOには多くのメリットがありますが、逆にデメリットもあります。
IEOのデメリット
- 審査の厳しさ
- 将来性を確実に約束できない
- 手数料のコスト
・審査の厳しさ
IEOは新しいものであり、審査が甘く行われると悪い文脈で広まってしまうリスクがあります。
取引所も金銭的なリスクだけでなく、世間からの安心信頼を失うことは避けたいと言えます。
そのためかなり審査が厳しいものとなるでしょう。
・将来性を確実に約束できない
多くの審査が入るとはいえ、確実に伸びるものとは断定できません。
IEOに限った話ではありませんが、新しく発売されたトークンや株は上場後大きく価格変動が起きてしまいます。
また他の要因で価格が暴落するリスクもあるため将来性を確実に約束されていないことはデメリットと言えるでしょう。
・手数料のコスト
IEOでは仲介に取引所が入るため手数料がかかってしまいます。
DMM ビットコインは無料、コインチェックでは一律407円など、取引所ごとで手数料が変わっていることが、デメリットと言えるでしょう。
IEOとコインチェック
IEOは資金調達の手段として期待されていますが、実際に国内では行われていません。(2021年6月12日時点)
そんな中、コインチェック株式会社と株式会社Hashpaletteは、日本初のIEO実現に向けて共同プロジェクトを発足していると発表しています。
IEOが国内で実現された場合、コインチェック以外の企業が、IEOの取引所に参入したり、IEOを用いた資金調達が増えていくでしょう。
まとめ
今回は新たな資金調達の方法IEOについてまとめました。
本記事を通して仮想通貨におけるIEOの概要や仕組みを知ったあなたはIEOに触れてみたいと思いましたか?
代表的なメリット・デメリットも、法律や社会の風潮が変わると印象も変化していきます。社会とIEOの動きを今後も追っていきたいですね。
IEOによる資金調達は、まだ実施されていませんが、2021年夏頃から開始されることから、IEOに対して期待が高まる一方です。
また、実際にIEOが行われた場合、取引所としてコインチェックのみならず、多くの企業が参入していくことや、IEOを実施する企業が増えていきます。まだ参入していない分野の会社で、IEOを積極的に取り入れていくのか楽しみです。