【NounsDAOとは】概要や特徴をわかりやすく解説!

DAO(Decentralized Autonomous Organization)という言葉が様々なところで聞かれるようになりつつあります。様々なDAOの中でも、「最もDAOらしいDAO」として広く知られるのがNounsDAOです。誕生から1年経ち、先進的でありながらすでに一般に広く知られつつあるこのプロジェクトの人気・特徴を紐解いていきたいと思います。

NounsDAO

NounsDAOとは?

NounsDAOとは、2021年8月にスタートしたプロジェクトです。他のプロジェクトとは多くの点で異なり、独特なコンセプト・手法を取っています。概要は下記のとおりです。

  • 1日1つ、新たなNFTが自動的に生成される。
  • 生成された瞬間、24時間を期限としたオークションが自動的にスタートする。
  • 購入希望者は希望購入額を入札することが出来る。
  • 期限が来た時点で最高額を入札している人が購入出来る。
  • 購入額はすべて(中抜き・手数料などはなし)、NounsDAOの共用ウォレットに送られる。
    ※この共用ウォレットは「トレジャリー(宝箱)・ウォレット」と呼ばれています。
  • 一定枚数(現在はNounsNFT2枚)以上のNounsNFTを保有する人はNounsDAOに対して、資金の使い道を提案できる。
  • 提案に対してはNouns1枚が1票となり投票が行われる。
  • 可決された場合、自動的にその提案に対して要求金額が送られる。

このように、皆の資金を集め、その資金の使い道をホルダー全員で決めていく、という極めて民主的・全員参画的なNFTプロジェクトになっています。

NounsDAOの特徴:「CC0」

NounsDAOの特徴のひとつは「CC0」ということです。この場合の「CC」は「Creative Commons」の略で、著作権に対する規格を示しています。

Creative Commons

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン公式サイトより)

著作権が無く自由に使える状態のことを「パブリック・ドメイン」とも呼びますが、このパブリック・ドメインの状態にするために様々な制約があります。例えば著作権者が死亡してから数十年経過する必要がある、またその規約が国や地域によって違う、といったことなどです。

これに対して、制約を設けず、自らが自らの作品をパブリック・ドメイン化するときに使用できる規格が「Creative Commons」の中の「Creative Commons 0」、略してCC0です。

例えば「CC BY」は「原作者のクレジット(By 誰々、など)を表記すれば改変・営利利用などを自由に行っていい規格であり、「CC BY-NC-ND」は「原作者クレジット表記の上、営利利用禁止+改変禁止」という規格です。このCCライセンスの中で最も自由なものが「CC 0」、つまり著作権者はいかなる権利も保有しない、というものです。

NounsDAOはCC0を宣言しているため、Nounsに関するすべてのこと、例えばアートワーク、仕組み、名称などを誰でも自由に使用することが出来、それにより営利を得てもまったく問題ありません。これがNounsの人気の秘密、拡大している理由の一つです。

NounsDAOの特徴:「フルオンチェーンNFT」

更にNounsDAOの特徴のひとつが、「フルオンチェーンNFT」であることです。NFTの中にはそのNFTで表示される画像がブロックチェーンにそのまま保存されている状態の、「フルオンチェーンNFT」と、ブロックチェーンではなく、どこか別のサーバに保存している「非オンチェーンNFT」に分けられています。

どちらも確かにNFTではあるのですが、メリット/デメリットが存在します。

フルオンチェーンNFTのメリット/デメリット

メリット

  • ブロックチェーンが続く限り画像が消えることが無い。

デメリット

  • 発行する際のガス代が高価になる。
  • 大容量の画像は表現しづらく、ドット絵などになりがちである。
  • ギミック(仕掛け=途中で絵が変わる、など)がしづらい。

代表的なフルオンチェーンNFTの例

CryptoPunks

CryptoPunks

CyberBrokers

CyberBrokers

CyberBrokers

CyberBrokers

非オンチェーンNFTのメリット/デメリット

メリット

  • 発行時のガス代が低く抑えられる。
  • 容量はサーバに依り、多くの場合、多大な容量が可能になるのでデータ量の多い画像が表現可能になる。
  • ギミックを組み込みやすい。

デメリット

  • 画像を保存しているサーバに問題が起こった場合、そのNFTの画像が表示されなくなる場合がある。

※画像が表示されなくなってしまったNFTの例に関する記事:

「フルオンチェーンでないNFTの怖さ」が現実に!〜フルオンチェーンNFTを可能にする技術(非営利団体Singularity Societyのnoteより)

代表的な非オンチェーンNFTの例

BoredApeYachtClub

BoredApeYachtClub

CloneX

CloneX

CryptoNinjaPartners

CryptoNinjaPartners

NounsNFTはフルオンチェーンNFTなので、Ethereumブロックチェーンが続く限り画像が消えることは考えづらいと言えます。この「画像が消えづらい」ことを画像の「永続性」と呼び、NFTの信頼性を測る指標のひとつになっています。

NounsDAOの特徴:「創設者への報酬」

通常のNFTプロジェクトであれば創設者、運営者への報酬は「初期販売額」や「二次流通ロイヤリティ」から支払われます。しかし、Nounsの初期販売額は運営による手数料が設定されていません。加えて二次流通ロイヤリティも0%に設定されています。では創設者・運営者はどのように報酬を得ているのでしょうか?

NounsDAOは10名により創設されました。NounsのFounders(ファウンダーズ)なので、Nounders(ナウンダーズ)と呼ばれています。

彼らへの報酬は「Nouns開始から5年間は、発行されるNounsの10枚ごとに1枚が自動的に彼らの共用ウォレットに送られる」ことになっています。彼らの報酬はその10枚に1枚のNFT自体ということになります。

現在、NounsのNFTは一次販売で約30ETH、日本円で約500万円ですのでNoundersは約10日に1度、約500万円の報酬を自動的に受け取っている、ということになります。

OpenseaのAnalyticsタブ、Ownersの箇所ではNounders.ethが現在Nounsを27枚保有する最大ホルダーであることが確認できます。

Owners

NounsDAOで採択された提案の例

現在、NounsDAOのトレジャリーには約45億円が保管されています。何にこの資金が使われるのか、またある種の社会実験としてのNounsDAOには注目が集まります。

実際に採択された提案には様々なものがあります。

採択例:スーパーボウルでのCMにNouns

Noun179

Noun179

大きな話題になったものは「Proposal33:スーパーボウルのCMや、実際のビール缶にNounsメガネを採用させる」というものです。

提案内容を要約すると下記の内容でした。

  • この提案が可決されれば、NounsDAOが保有するNoun179を著名な飲料企業に無償で提供します。
  • その見返りにその企業はスーパーボウル(アメリカの国民的スポーツイベント)でNounsをモチーフにしたCMを流します。
  • また期間中その企業はツイッターアイコンをNounsにする。

投票の結果、賛成75/反対1で可決されました。結果、その企業がビールのバドワイザーブランドを保有するアンハイザー・ブッシュ・インベブであることが判明し、ツイッターのアイコンが変更されました。

そしてスーパーボウルでのCMに繋がりました。

CM

(CMは現在でもYoutubeにて確認が出来ます)

採択例:Nounsオリジナルコーヒー

食品系の提案は他にもあります。採択案のひとつである、Nounsオリジナルコーヒーは実際に購入が可能です。

Nounsオリジナルコーヒー

NounsCoffeeサイトより)

採択例:Nounsヨットレース

あるいはNounsの知名度向上のために、韓国で開催されたヨットレースの帆を「Nouns柄にする」という提案も採択され実施されています。

韓国のニュースサイトより)

採択例:ウクライナに対する人道支援

このような楽しい、いい意味でふざけた提案もあれば、非常にシリアスな提案もあります。

例えばウクライナに対する人道支援です。ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、ユニセフを通じたウクライナへの人道支援金として100ETHの寄付が採択され実施されました。

ユニセフUSA公式ツイッターによるNounsDAOの寄付への感謝ツイート

様々なSub-DAO

NounsはCC0であり、そのプロジェクトを自由に活用して良いことから様々な派生プロジェクトが誕生しています。それらはSub-DAOと呼ばれています。

代表的なSub-DAOには下記のようなものがあります。

Lil Nouns

Nounsが1日1枚発行されるのに対して、もっと手軽なNFTとして15分に1枚発行されるプロジェクトです。いわばNounsの「リトル版」と言えます。

Lil Nouns

本家Nounsが10枚に1枚、0番台が創設者たちの報酬になるのに対して、Lil Nounsは0番台が創設者(lilnounders)に送られ、1番台は本家NounsDAOに寄付されます。こちらでもすでにトレジャリーに471ETH(約8,000万円)が貯まっています。

NounsDAOJapan

こちらはNounsDAOを愛する人々によって立ち上げられた日本語をメインとしたコミュニティです。

NounsDAOJapan

現在まだトレジャリーシステムなどは実装されていませんが、NounsDAOから定期的に資金提供を受けており、コミュニティメンバーが提案をできる「Prophouse」という仕組みが実装されています。これは誰でも(コミュニティメンバー以外でもEthereumのウォレットアドレスを持っている人であれば誰でも)提案でき、その提案に対してコミュニティメンバーが投票する、という仕組みです。投票により採択された提案には自動的に2ETHが助成されます。

NounsDAOJapanのNFTは、2022年7月にその時のDiscord参加者であれば誰でも無料でMintできる形式で発売されました。当初は無料だったこの投票権としてのNFTは現在、フロアプライスが0.4ETH(約7万円)と値上がりしています。

Sub-DAO

このようにNounsDAOが中心となってその周辺に様々なSub-DAOが自律的に発生し、そのSub-DAOが価値を産み出していく状態になっています。また中にはLil Nounsのように自身のNFTをNounsDAOに提供することで貢献するSub-DAOも誕生しています。これらが一体となって一つのエコシステム(生態系)となっているのがNounsDAOです。

まとめ

Ethereumブロックチェーンが動き続ける限り、永遠に1日1枚発行されオークションが続いていくという多くの人を引き付けるプロジェクトがNounsDAOです。しかしその価格にも変動はあり、以前であれば毎日100ETHほどの落札価格が普通でしたがスタートから1年賀経過している現在は約30ETHほどで推移しています。

また民主的と言いつつも、NounsDAOのDiscordは現在は閉鎖されています。(閲覧は可能) それは何度も何度も様々な人が意見を交わし、まとまることもあればまとまらないこともあったため、NounsDAOとしてDiscordを運営しないということを意思決定したためです。あくまでNounsDAOの本質は「スマートコントラクトを中心とした、1日1体発行されるNFTにより意思決定されるシステム」であるため、この運営形態が可能です。

「もっともDAOらしいDAO」と言われつつもその活動にまだまだ課題があることは確かです。このNounsDAOがこれからどのような変化・発展を続けていくか、ということはNFT市場においての注目点のひとつであることは間違いありません。

付記:Nounsに関するキーワード

Nounders=Nouns+Founders ナウンダーズ
:NounsDAOを創設した10人のこと。
Nouners=Nouns+Owners ナウナーズ
:NounsNFTを保有している人たちのこと。
Treasurery=財務省/宝物庫 トレジャリー
:毎日開催されているNounsNFTのオークションの売上が保管されているウォレット。
Proposal=提案
:トレジャリー内の資金の使い道を提案すること。現在はNounsNFTを2枚以上保有しているウォレットのみが提案をできる。

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